北京大野木菲瑪諮詢有限公司・天津大野木邁伊茲諮詢有限公司
市街地再開発・中国進出 | 大野木会計会社概要事業内容ニューズレターセミナー・ガイダンスお問い合わせ

ニューズレター(最新号)

−2月号− [2012.2.29]
営業税から増値税への徴収変更試行について

既に各種報道でご存じのことと思いますが、2012年1月1日より上海市では営業税取引の一部を増値税取引へ変更する試行が実施されています。当該実施に係る通知(財税[2011]110号)では、当面の実施地域は上海市に限るとしているものの、対象業種・試行地域の拡大を示唆しており、今後主要都市に順次拡大し最終的には全国的に展開されていくことが予想されております。特に、北京市では上海市での試行実施が発表された直後に、北京市も導入に向けた調整を行うことを公表し、最近の報道では本年7月1日より試行実施と伝えられています。
また、天津市も重点的地域とされていることからそう遅くない時期に試行実施される可能性があります。
そこで、当月号では増値税と営業税の基本と上海で実施されている徴収変更試行の概要を紹介いたします。


1.増値税と営業税の基本

中国では物の販売は増値税が課され、サービス提供は営業税が課され、取引の種類により税目が異なります。増値税と営業税の基本内容は以下の通りです。

税目/管轄 課税対象取引 税率 税額計算
1.増値税
国税管轄
中国国内における物品販売又は加工、修理・補修役務の提供及び物品の輸入 17%(穀物等一定の物品は13%)、物品輸出は0% 一般:売上税額△仕入税額=納税額
簡易:売上高×徴収率(3%)
2.営業税
地方税管轄
中国国内における(※)役務提供(交通運送業・建築業・金融保険業・郵便通信業・文化体育業・娯楽業・サービス業)、無形資産の譲渡又は不動産の販売
(※)役務提供を受ける者、無形資産の譲渡を受ける者が中国国内に所在する場合には中国国内における取引とされる。
交通運送業・建築業・郵便通信業・文化体育業:3%、金融保険業・サービス業・無形資産の譲渡・不動産販売:5%、娯楽業:5〜20% 営業取引額×税率=納税額

増値税は税金の最終負担者が最終消費者であるのに対し、営業税は事業者となるため、営業税取引業者は増値税取引業者に比べ税負担が重く、不公平感が生じておりました。今回の徴収変更試行はこれらの問題点も考慮し課税の公平を図ることを目的としています。



2.上海市における営業税から増値税への徴収変更試行の概要

(1)課税変更業種
2012年1月1日より、従来は営業税取引であった以下の業種は増値税課税の対象に変更されました。
〔1〕交通運輸業(陸運、水運、空運、パイプ輸送)
〔2〕研究開発及び技術サービス(技術譲渡含む)、情報技術サービス、文化創意サービス(設計サービス、知的財産権サービス等)、物流補助サービス、有形動産リースサービス、鑑定・証明コンサルティングサービス(認証サービス・鑑定サービス、コンサルティングサービス)

(2)税率

有形資産のリース:
17%
交通運輸・建築:
11%
現代サービス:
6%
サービス輸出:
免税又は0%

(3)納税者の分類と税額計算
課税サービスの年間売上高が500万元以上の納税者は「一般納税者」に分類され、「一般税額計算方式」により税額計算を行います。また、500万元を超えない納税者は「小規模納税者」に分類され、「簡易税額計算方式」により税額計算を行います。(計算方式は上記1税額計算参照)

(4)国内における課税サービス取引の範囲について
営業税と同様に、課税サービスの提供者若しくは受領者が中国国内にある場合には、国内におけるサービス提供となり、増値税の納税義務が発生します。ただし、国外の単位・個人が国内の単位・個人に対して全て国外で消費するサービス全て国外で使用する有形動産のリースについては、国内におけるサービスとはみなされず、増値税の納税義務は発生しません。

年初より試行実施されている上海では、切り替えにあたって実務上混乱が少なからず生じているようです。北京や天津も近い将来実施されることが確実視されていますので、上海での取り扱いや動向を注視された方が良いでしょう。

ご質問、ご不明点等ございましたらお気軽にご連絡ください。

(完)

(担当:安達)


▲ このページのTOPへ戻る