天津大野木邁伊茲諮詢有限公司
北京大野木邁伊茲諮詢有限公司

本政策の対象となる小型・微型企業または業種に該当する納税者は、2022 年4 月の申告期間以降の各月の未控除仕入増値税の増加額の全額還付、指定された各税務申告期間から未控除仕入税額の残存額の一括での還付を申請することができる。

【対象企業】

財政部、税務総局公告2022 年第14 号及び2022 年第21 号の規定により対象となる企業（自営業を含む）は、「企業規模」と「業種」の２つの判定基準により確定するとしています。

（1）企業規模：小型・微型企業（自営業者を含む）
企業規模は、「中小企業業種分類標準規定」(工信部聯企業[2011]300 号)と「金融業企業分類標準規定」(銀発[2015]309 号)の営業収入、資産総額の標準に基づき確定します。
本規定で区分けできない場合には「年間増値税売上高」によって確定します。

• 微型企業＜100 万元
• 小型企業＜2,000 万元
• 中型企業＜1 億元

（2）業種
小型企業、微型企業に属してない企業については、下記の青色と黄色で色付けした業種に該当する企業が、今回の政策の対象企業となります。

上記2 つの公告により追加された対象企業
① 2022 年第14 号公告：先進製造業以外の一般製造業と対象となる業種に該当しない
小型企業・微型企業を含む
② 2022 年21 号公告：上記表の黄色で色付けした業種

【税金還付申請の条件】

本政策の適用を受けるためには下記の条件を同時にすべて満たす必要があります。

1. 納税信用等級がA 級またはB 級である
2. 税金還付申請前の36 ヵ月間に未控除税額、輸出税不正還付、増値税専用発票の虚偽発行の状況が発生していない
3. 税金還付申請前の36 ヵ月間に脱税により税務機関から2 回以上処罰を受けていない
4. 2019 年4 月1 日より即時徴収、即時還付、先徴収・後還付の政策を享受していない

【還付可能税額の確定】

還付可能税額は、還付申請時点で増値税申告書に記載される未控除仕入増値税額に一定の比率を乗じて計算した金額とします。

・未控除仕入税額の残存額
当期期末の未控除仕入増値税税額≧2019 年3 月31 日時点の未控除仕入増値税税額の場合、増値税未控除仕入税額の残存額は2019 年3 月31 日時点の未控除仕入増値税税額を指す。
当期期末の未控除仕入増値税税額＜ 2019 年3 月31 日期末の未控除仕入増値税税額の場合、増値税未控除仕入税額の残存額は当期期末の未控除仕入増値税税額を指す。
増値税未控除仕入税額の残存額還付を受けた後、増値税未控除仕入税額の残存額はゼロになる。

例：ある会社の2019 年3 月31 日時点の増値税未控除仕入税額は100 万元で、2022 年
4 月に一括で増値税未控除仕入税額の残存額の還付を申請するケース：

（一）2022年4月の増値税未控除仕入税額が120万元である場合、当該会社の増値税未控除仕入税額の残存額は100万元である。
（二）2022年4月の増値税未控除仕入税額が80万元である場合、当該会社の増値税未控除仕入税額の残存額は80万元である。
当該会社は2022年4月に増値税未控除仕入税額の残存額還付を受けた後、増値税未控除仕入税額の残存額はゼロになる。

・未控除仕入税額の増加額
納税者が未控除税額の残存額の一括還付を受ける前においては、当期期末の未控除仕入税額の増加額とは2019年3月末残高よりも増加した期末未控除税額を指す。納税者が未控除税額の残存額の一括還付を受けた後においては、未控除仕入税額の増加額とは当期期末の未控除税額を指す。

例：ある会社の2019年3月31日時点の未控除税額は100万元で、2022年7月31日時点の未控除税額は120万で、8月に未控除税額の増加額還付を申請するケース：（一）今までに一括で未控除税額の残存額の還付を受けていない場合、未控除仕入税額の増加額は新たに増加した部分であり、20万元である。（二）今までに一括で未控除税額の残存額の還付を受けた場合、未控除仕入税額の増加額は当期期末の未控除税額であり、120万元である。

【還付可能税額の計算】

• 未控除仕入税額の残存額の還付金額＝未控除仕入税額の残存額×仕入税額の構成比率×100%
• 未控除仕入税額の増加額の還付金額＝未控除仕入税額の増加額×仕入税額の構成比率×100%

【還付申請時期】

納税者が仕入税額還付政策の適用に際して誤りがあることが発見された場合には、次の納税申告期間において還付された税金を納付しなければならない。
虚偽の仕入税額増加、虚偽申告またはその他の欺瞞手段を用いて、仕入税額還付を受けた場合には、税務機関より還付不正の税額を追徴し、『中華人民共和国税金徴収管理法』などの関連規定に従って処理する。
—財政部、税務総局公告2022年第14号全国の税務調査部門は還付仕入税額を不正に受給する行為を厳しく取り締まり、還付仕入税額を不正に受給する行為に対しては終始「ゼロ容認」の高圧態勢を維持し、4月1日から6月29日までの期間において全国の税務調査部門は不正受給行為を行った企業1645社をすでに調査し、還付済みの仕入税額20.34億元を挽回し、その他の税金損失14.33億元を挽回した。
—国家税務総局ニュース発表会（2022年6月30日）未控除仕入増値税の還付申請は会社の権利であり、この権利を享受するかどうかを十分に考慮する上で判断する必要がある。税金還付申請の後に税務機関より指摘を受けて追納・罰金の支払いを命じられるリスクを回避するため、会社は申請の前に自己調査を行うことを望まれます。

• 会社の経営が安定しており、一時的に未控除仕入税額が発生しているだけで、近々に控除できる見込みであれば、税金還付を考慮しなくてもよい。
• 長期的に未控除仕入税額が残存し、短期的には納税が発生しないことが見込まれる場合には、未控除税額還付申請の選択を検討する余地あり。
• 仕入税額還付の目的は会社の生産を拡大し、技術をアップグレード、会社の持続発展能力を強化するために、直近における資金繰りを改善したうえで、今後の売上にかかる売り先から預かった増値税は納税するという本政策の本来の趣旨を十分に理解することが必要であり、近々に清算する予定の会社で売上の発生が見込まれない企業については、還付申請をすることの是非を慎重に判断する必要あり。
• 会社は還付対象となる仕入・販売にかかる原始証憑などの資料（原始証憑、認証済みの発票、関連業務契約書、銀行回単など）を適切に保管しておいたうえで、税務機関からの調査要請があった場合には、業務・取引の真実性などを十分に説明できるようにしておくことが必要。